2022.07.19
ダウンについて
ダウンジャケットの特徴
冬。急に寒くなると慌てて冬物衣料をクローゼットから出してくることないですか?
冬の寒い時期はちょっと苦手な方も多いのでは(>_<)
特に真冬は出不精になりがちです。
そんな時に大活躍するのが、ダウンジャケットですね!
早いけど、今回は冬の防寒衣類、ダウンジャケットについてお話しますね。
ダウンジャケットとは、羽毛を使ったジャンパースタイルの防寒着のことです。
私も持ってますが、皆さんも1着はクローゼットの中に入っていませんか?
主にナイロン素材の生地をキルティング加工して、内側に羽毛が詰まっています。
羽毛は保湿性に加えて、体から出る汗を放出する特徴がありますので、
極寒地での作業服などとして着用されていました。
その他だと、寝袋やお布団などにも使用されていますね。
日本では1980年代に、アメリカ空軍パイロットの防寒着をモチーフとした衣料が
ヒット商品となり、広く普及されました。
現在では、デザインやカラーもファッショナブルになり、
真冬のタウンユースとしてかかせない定番アイテムになりましたね。(*^_^*)
羽毛の種類を知っていますか??
羽毛とは、カモ、アヒル、ガチョウなどの水鳥の尾や翼などの
大きな羽根を除いた物の事をいいます。
水鳥の羽根は、生えている部位によって分けられるんですね。
★ダウン (Down)
水鳥の胸からお腹にかけて生えている小さな元羽軸と、
その先から延びる羽枝から出来ている綿毛のことを言います。
いわば、水鳥の肌着のようなものですね。
ダウンの中心から長くやわらかい羽根が放射線状に伸びており、
この羽枝の数が多くて、産毛が残り、タンポポの綿毛のような形をした物は、
特にダウンボールと言われています。
このダウンボールが大きいほど良質なダウンとされています。
しかし、上質なダウンは一羽の水鳥からたった10~30gしか採る事しかできません。
なので、1着作るのに約30羽前後の水鳥が必要になってくるんですね。
お布団を作るとなると、150羽以上も必要になるそうです。
★★ フェザー (Feather)
水鳥の体を覆う羽根のことをさします。いわば、上着のような役割をしています。
弾力のある軸が通っていて、
いわゆる「羽根」と言われてみなさんが思い浮かべるのがフェザーです。
羽根の長さが6.5cmまでのスモールフェザー。
それ以上のものをラージフェザーといいます。
ラージフェザーになると、主に敷布団などに使用されるようですね。
★★ グースダウン(ガチョウ)とダックダウン(カモ)の違い
グースやダックの羽毛がよく使われていますが、
グースの方が大きく良質なダウンが取れると言われています。
それは、グース(ガチョウ)は体が大きい事や、
ダウンを採るために時間をかけて飼育されているからです。
一方、ダック(カモ)は食用として飼育され、若いうちに加工されるので、
副産物として採れるダウンが育ちきっていない事が多いそうです。
大きなダウンほど、空気を多く抱え込み、軽く、ボリュームがあります。
また、グースダウンの方が細くてやわらかく、
絡まりにくい性質を持っているんですね。
フェザーもグースのほうが湾曲していて、ふんわりとふくらんでいたりしますね。
ダウンコートのメンテナンスについて
ダウンコートは年に一回、もしくはシーズン中にもう一回ぐらいのお洗濯で十分です。
あまり頻繁に洗われると汚れだけではなく、羽毛の油分も取り去られてしまい、
保温効果が下がる可能性があります。
なので、まずは汚れないような対策から始めてみて下さいね。
直接肌に触れる部分、襟や袖口などは汚れやすいので、
マフラーを使用されたりするのもいいかもしれません。
最近では、ご家庭で洗えるダウンコートも増えてきましたね。
でも、表や裏地の素材、加工や付属(ファー)によっては難しい物もありますので、
必ず、洗濯絵表示を確認してくださいね。
(ご購入時に販売員さんに確認するのもいいかと思います)
ご家庭で洗える物は、基本的にやさしい手洗いで大丈夫だと思います。
濡れたダウンは大変弱くなっていますので、強く揉んだりすると、
すぐに羽毛が裂けたり、絡まったりしますので、
あまり圧力をかけないであげて下さい。
広げた状態で陰干し乾燥し、表の生地が乾いてきたら、
ハンガーに掛け直して干してあげて下さい。
完全に乾いてしまうと、自然と羽毛がほぐれてきます。
最後に、羽毛の中に空気を含ませるために軽く叩いて仕上げたり、
タンブラー乾燥をしてあげるとよりふっくらと仕上がります。
以前、【水洗い×のダウンジャケット】をご家庭で部分洗濯されて、
「身頃の半分に輪ジミが広がってしまいました。」
というご相談をお受けした事もあります。
洗いや乾燥がちょっと不安と思われる方はクリーニング店さんにご相談下さいね。
あと、補修などした部分があれば、必ず受付の方に伝えてくださいね。
そうしないと、補修部分から中のダウンが出てくる事がありますので(>_<)
着用していると、ミシン目のから羽毛が出てくる場合があります。
そういったときは、無理矢理、中に入れ込むのではなく、
取り除いてしまってもかまいません。
羽毛が出るのは不具合ではなく、ダウンジャケット特有のものです。
しっかりと縫製されているメーカーさんの物は以前に比べると出にくくなっています。
また、ダウンの混率の高いものはこういうケースになる事は少ないんですよ。
匠抜きでも、毎年たくさんダウンジャケットを染み抜きしております。
シーズンオフでも、よくお預かりするアイテムの一つですね。(^^)